島崎治道著 「地産地消」の生き方
「食の国際化」とは、世界の人々への「食」の提供を一握りの企業、限られた国で独占的に支配しようとする、究極の政治的・経済的戦略だ。
日本の農業に暗雲が立ち込め始める要因となったのは、1954年に締結した「MSA協定」であり、これにより国策として我が国の小麦や大豆の生産を制限し、アメリカの余剰農産物の大量輸入が開始された。また、我が国の主食であるコメの消費量を減らすために、「学校給食法」を制定して、給食の主食をごはんからパンに変えた。
現在、地球の温暖化などによる地球環境の悪化が、食料輸出国の生産量を減少させ、世界的人口増を背景に、輸出先国の人口を満たすだけの価格にあった輸出量を提供できなくなっている。
日本が食料の輸入を拡大することは、世界にテロや戦争を輸出することになる。
「地産地消」の生き方が世界の各地域で実践された時が、飢えのない真の平和な国際社会が構築される時だ。
文藝春秋オピニオン2017年の論点100
日覺昭廣著 日本型経営で金融資本主義に立ち向かえ
全世界のGDPが75兆ドルに対して、金融資産は300兆ドルを超えており、実体経済とかけ離れた状況になっている。ヘッジファンドと呼ばれる「投機家」の経済規模は200兆円にのぼる。彼らの中には、金融工学基づいて100万分の1秒単位で株を売買して利益を得ようとする者も少なくない。そうした投機家を会社の所有者とみなすことが、そもそもおかしい。
金融資本主義かの弊害を防ぐにはどうしたらよいか。
1.マネーゲームに対する規制を視野に入れて、国際的な枠組みを検討する。
2.「新しい企業価値」の基準を作り出す。
新たな価値観で企業価値を定義する動きがアメリカですでに起こっている。
「B企業」という企業認証制度。アメリカの30州とワシントンDCで法制化され、約2000社が認証されている。
フィリップ・E・テトロック&ダン・ガードナー著 超予測力
「我々はイラクは国連の決議と制限に背き、大量破壊兵器計画を継続してきたと判断する。イラク政府は生物化学兵器のみならず、国連の制限を超える射程のミサイルも保有している。この状態を放置すれば、十年以内におそらく核兵器を保有することになるだろう」
2002年10月に公開された「国家情報評価書」は、CIA,NSA,DIAのほか13の情報機関の合意した見解である。これらの機関を総称して「インテリジェンス・コミュニティ(IC)」と呼ばれる。
ICの判断は誤りであった。なぜか。
ピッグス湾事件がケネディ政権最大の汚点だとすれば、キューバミサイル危機はその最大の成果といえる。ケネディはピッグス湾事件のあと自分たちがこれほどひどい失態を演じた原因の究明を命じた。その結果、居心地のよい全会一致主義が根本原因であると指摘され、再発防止のため意思決定プロセスの変革が推奨された。
超予測者を目指すための10の心得が紹介されている。
上念 司 / グループ新霞ケ関 著 2030年の世界エネルギー覇権図 アメリカの新戦略を読み解く
2015年11月にISの犯行によるパリ同時多発テロ事件を、ローマ法王フランシスコ一世が評して、「これは第三次世界大戦の一環です」と述べた。
アメリカは世界に混乱を起こして、絶え間ない戦争状態を作り出し、覇権を維持する。その有力な武器が、エネルギーである。
ここ30年ほどの間に起きた世界の大きな戦争や紛争は常にエネルギーをめぐる利権争いや対立が背後にあった。
ISの混乱を生み出した元凶は、2003年にアメリカがフセイン政権を打倒するために起こした、イラク戦争とその戦後処理の失敗である。
汚染の水鳥だけでなく、米議会での少女の証言もすべてアメリカの広告代理店と政府が仕組んだデッチ上げだったと判明している。
ブッシュ家は、原油価格の高騰で莫大な利益を得た。アメリカは巨大なウソで敵も味方も騙し、エネルギー利権と軍需産業が儲けるために、どんな手でも使ってくる。
東京ドームの213個分、約1000ヘクタールを超える総合リゾート施設が広がりる「星野リゾートトマム」が中国の会社が2015年に買収された。
林野庁が2006年から2016年までに外国資本に買占められた日本の森林面積を公表している。なんと116件1232ヘクタール。
新しいエネルギー戦略を打ち立てなければ、過酷な国際政治の中で生き残れない。