堀正和・桑江朝比呂編著 ブルーカーボン
地球上で生物が隔離するグリーンカーボンと呼ばれる炭素のうち、海洋生物が隔離する炭素、すなわちブルーカーボンはその55%に相当する。
しかし、二酸化炭素の吸収源となる自然生態系は人類の経済活動によってますます減少している。海洋植生にいたっては、熱帯雨林の5~10倍もの速さで消失し続けている。
沿岸顕花植生域の喪失は、地球環境と人間社会への差し迫った脅威である。沿岸浅海域や海洋の総合的管理を見直し、沿岸顕花植生域の保全・再生を気候変動緩和対策に含めることで、いまだ国際的議定書や市場経済システムに認識されていない、今日われわれが知り得る、最も効果的なWin-Winの気候変動緩和策が生まれることになるだろう。
アンドリュー・キンブレル著 生命に部分はない
市場原理のイデオロギーは、これまでもそして現在も人間部品産業の中心的教義として機能している。機械論思考と科学技術の進歩によって、人間の体は機械のように部品化してとらえられるようになってきた。自由市場原理を標榜する人々や人間部品産業企業家そして政治家たちが、巧みに人間を商品化してきた過程は、血液の商品化に始まり、世界中で行われている臓器売買、公然と横行する精子・卵子の売買、代理母契約、胎児・赤ちゃんの商品化、生体試料の販売合戦、遺伝子・細胞などの特許化など。
科学者や技術者が事実上、技術の利用を公益のためだけに限定しえた例が過去にないことは歴史が示す通りだ。
市場原理を適切な方法で規制しない限り、人体の価値を破壊し、商業的な搾取が展開されるのも間違いない。
・輸血用の献血を引き続き無償で行う体制を堅持。製薬目的、研究目的の商業的血液売買の停止
・移植用臓器の売買禁止
・胎児組織売買の禁止
・代理母契約制度の停止
・遺伝子操作された動物、人間の細胞、遺伝子、胚、臓器など、からだの一部を含む すべての生命形態の特許化禁止
ジェレミー・リフキン著 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭
ホシュネヴィス博士は、アメリカの国防総省、国立科学財団、NASAの支援と資金提供を受け、「輪郭クラフティング」と呼ばれる3Dプリンティングのプロセスで建物をプリントする実験を行っている。2025年までに世界中で3Dプリンティングによる建物の建設が業界標準として主流になるのでは。
プリンターを使用した「生体・人口混成の」心臓の作製も10年のうちに可能になるかも。
現在の高額な保険医療ーその多くは未発達で、重要な情報を欠き、コストも高いーは、ビックデータ文化と限界費用がほぼゼロの社会では、過去の遺物となる。
国際食料政策研究所は、気候変動の影響によって、南アジアの農業生産高は2000年の水準に比べて2050年までに小麦と米とトウモロコシがそれぞれ50%、17%、6%減少すると推測している。
世界のサイバーセキュリティ市場は、2012年にはすでに611億ドル規模に成長しており、2030年には1000億ドル超に拡大すると見込まれている。
各国政府は、送電網を狙った攻撃を最も危惧している。
古賀茂明著 国家の暴走 安倍政権の世論操作術
安倍政権が放つ不吉な「13本の矢」
①日本版NSC法 ②特定秘密保護法 ③武器輸出三原則の廃止 ④集団的自衛権の行使容認 ⑤「産めよ増やせよ」政策 ⑥集団安全保障での武力行使の容認 ⑦日本版CIAの創設 ⑧ODAの軍事利用 ⑨国防軍の保持 ⑩軍法会議の設置 ⑪基本的人権の制限
⑫徴兵制の導入 ⑬核武装
特定秘密保護法の運用をチェックする「情報監視審査会」は、政府の秘密指定が不適切と判断した場合には、指定解除を勧告できるとされているが、これらの権限に法的強制力はない。つまり、政府の判断一つで何でも隠せることにお墨付きを与える法律になている。
2014年7月17日、安倍総理はNSCを開いて、米国に、カタール向けのミサイルに組み込む部品を輸出することを承認した。
集団的自衛権の必要性を安倍政権が国民に訴える時、一番の根幹となったのは、「現在の日米安保条約は片務的である」ということだ。
もしも、、日米安保条約が本当に米国にとって一方的に不利な条約であるとしたら、そんな条約に米国がサインするわけがない。米国にとって沖縄の基地は、世界中に何百とある米軍基地の中でも非常に特殊な”素晴らしい”基地なのだ。
ヨハン・ガルトゥングというノルウエーの平和学者は戦争のない状態を「消極的平和」と定義した。貧困、病気、飢餓、人権抑圧、環境破壊などの「暴力」がない状態をガルトゥングは「積極的平和主義」と定義した。