島崎治道著 「地産地消」の生き方

 「食の国際化」とは、世界の人々への「食」の提供を一握りの企業、限られた国で独占的に支配しようとする、究極の政治的・経済的戦略だ。

 日本の農業に暗雲が立ち込め始める要因となったのは、1954年に締結した「MSA協定」であり、これにより国策として我が国の小麦や大豆の生産を制限し、アメリカの余剰農産物の大量輸入が開始された。また、我が国の主食であるコメの消費量を減らすために、「学校給食法」を制定して、給食の主食をごはんからパンに変えた。

 現在、地球の温暖化などによる地球環境の悪化が、食料輸出国の生産量を減少させ、世界的人口増を背景に、輸出先国の人口を満たすだけの価格にあった輸出量を提供できなくなっている。

 日本が食料の輸入を拡大することは、世界にテロや戦争を輸出することになる。

 「地産地消」の生き方が世界の各地域で実践された時が、飢えのない真の平和な国際社会が構築される時だ。