奥野修司、徳山大樹著 怖い中国食品、不気味なアメリカ食品
アメリカから輸入される牛肉には、国産牛よりも600倍もの女性ホルモンが含まれている。しかし、計測すれば輸入禁止にせざるを得ず、そうなればアメリカと必ずトラブルになるから、食品に含まれる女性ホルモンを測ろうともしない。
日本と対照的なのはEUである。
EUは、域内の国民の安全を考慮し、今もアメリカ産牛肉の輸入を禁止している。
アメリカは、EUの農産物に課徴金をかけて報復したが、EUはそれでも禁止措置を解かなかった。
豚肉はもっと危険だ。アメリカ食品医薬品局は、アメリカで流通している豚肉の69%が抗生物質に耐性を持つ菌に汚染されていると警告している。
腸内細菌には抗生物質で簡単に死んでしまう細菌と、抗生物質に耐性を持っている細菌があり、抗生物質が体内に入ると、抗生物質に弱い細菌は次々と死んで細菌の種類が激減して腸内細菌叢が変わり、これまで保っていた腸内のバランスが一気に崩れてしまう。バランスが崩れることが、アレルギー疾患、喘息、肥満、自閉症、潰瘍性大腸炎など、現代病といわれる病の発症に繫がっている。
2018年4月に廃止される主要農作物種子法は、種子の遺伝資源を守り、安い価格で提供してきた。それを廃止し、これまで蓄えられてきた種子情報は民間に譲渡される。種子の価格は確実に上昇するだろう。喜ぶのは、種子ビジネスで大儲けしている海外の巨大バイテク企業だけなのではないか。
中国では生活汚水の9割以上、工業排水の3分の1以上が未処理で河川に流されているという報告があり、とりわけ深刻なのは南部、それも長江と黄河の下流だ。
中国では10年ほど前から「がん村」の存在が噂されてきた。「がん村」というのは、がんの発症率が異常に高く、村民の多くが40代で死亡するという深刻な状態の集落のことだ。現在、中国全土で500ヵ所以上あると言われている。
学校給食の構造的問題に大きな影響を与えたのが、中曽根内閣時代の85年に出された、新自由主義を背景とする
「合理化通知」である。①給食の民間委託への移行、②非正規調理員の採用、③自校方式からセンター方式へ、
コストダウンを追及した結果、学校給食は外食産業と同列になったともいえる。そして、中国食材が多く入り込んできた。
もしわが子の給食がおかしいと思ったら、親が糾すしかない。親が声をあげれば学校給食は変えられる。
FTAやTPPは、消費者にきちんと情報を公開するという流れに逆行するものだ。
輸入する場合、TPPは輸入検疫を簡素化し、輸入する加盟国の検疫を尊重するのが前提だから、輸入国の検疫はどんどん簡素化され、ほとんど行われなくなる。検査がほとんどされないなら、アメリカで何か問題が起こっても、すでに日本で消費されているということになりかねない。