鎌田浩毅著 日本の地下で何が起きているのか 

 現在の地震と噴火の頻発は「3.11」によって地盤に加えられた歪を解消しようとしているのだ。もはや日本列島は1000年ぶりの「大地変動の時代」が始まってしまい、今後の数10年は地震と噴火が止むことはないだろう。

 日本の国土面積は世界の陸地の0.28%しかないのも拘わらず、地球上で起こるM6以上の地震の20%が日本列島で起きている。

 富士山は平均50年程の間隔で噴火していたことが分かってきた。一方、富士山は1707年から現在まで、300年間も噴火していない。もし長期間ため込んだマグマが一気に噴出したら、江戸時代のような大噴火になる可能性も否定できない。

 物理学者の寺田寅彦は、日本列島に暮らす脆弱性を指摘した最初の人物である。

寺田は、「文明が進めば進むほど自然の暴威による災害がその劇烈の度を増す。文明が進むに従って人間が次第に自然を征服しようとする野心を生じ自然の暴威を封じ込めたつもりになっている」と。