大山礼子著 政治を再建する、いくつかの方法 政治制度から考える

 1994年に政党助成法が成立した際には、将来的に企業や団体からの政治献金を禁止することが約束されていた。同時に改正された政治資金規正法は、企業・団体が政党及び政治資金団体に対してする寄付のあり方について、5年後に見直しを行うと規定している。しかし、現在まで、この約束は果たされていない。「ザル法」のまま。

 2008年に日米中韓4か国の中学生、高校生を対象として行われた日本青少年研究所の調査によると、日本の中高生は「私個人の力では政府の決定に影響を与えられない」と答えた割合が最も高かった。ほかの3か国で否定的な回答と肯定的な回答がほぼ拮抗しているのに対して、日本の高校生では「全くそう思う」及び「まあそう思う」という回答が8割を超える。

 学校で、近現代史の教育を通じ投票参加等公共生活への参加能力を養うことが必要だ。

 

 

中西輝政著 日本人として知っておきたい「世界激変」の行方

 EUアメリカのための「入れ物」だった

 アメリカがEUをつくろうと考えた、そもそもの動機は冷戦を戦うためである。これはASEAN日米安保NATOも同じである。本質は「パックス・アメリカーナの副産物」といって差し支えない。

 西ドイツをNATOに迎え入れるための布石として打たれた手が、欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)だった。又、アメリカはフランスと西ドイツ国内に、親米派を積極的に養成した。そのためにCIAが膨大な工作資金を費やしたことが公開された資料からわかっている。

 「中露独の三国同盟」に日米同盟は対抗できるか

 独露両国はすでに、天然ガスをはじめ、様々なエネルギー分野で運命共同体である。ドイツはエネルギーのおよそ4割を、ロシアからパイプラインで届けられる天然ガスに頼っているし、自動車や機械など工業製品の対露輸出に頼ってきたドイツにとってロシアは「上得意先」である。

 フォルクスワーゲンは中国市場で圧倒的覇権を握り、またドイツの先端技術がAIやロボット技術を中心に、中国に入りだしている。そして中国はドイツから環境技術を導入するプロジェクトを動かし、国有企業を何社も立ち上げている。ベルリンにはエリート技術者の中国駐在員が増えている。

 明治の日本に最大の外交危機を齎した、「三国干渉」(1895年)は、ドイツが中露双方を操って対日恫喝の行動にでたものだ。

 国際関係の神髄というものは、19世紀も21世紀も核心においては変わりはない。

 

 

中野剛志、柴山佳太共著 グローバリズム その先の悲劇に備えよ

  グローバリズム新自由主義を信奉する人たちからすると、各国の主権に基づいて、勝手な政策や制度をつくられたら困るし、民衆の要求を受け入れて自由貿易を否定されても困る。また、民主主義的主義理屈に基づいて福祉国家をやられて、そのせいで、自由市場のあり方が変わってしまうと困る。

 彼らは、この20年間、日本を衰退へと追いやってきた。ところが、そのグローバリストや新自由主義者が、政治家であれ官僚であれ知識人であれ、責任を取るどころか、依然として日本という国家の中枢に居座っている。

 GATT体制の時代は、東西冷戦の時代だった。西側世界が貧しくなって共産主義に走ると困るから、アメリカは西側各国を豊かにするために、実に寛容な通商政策をとった。GATT体制下のマイルドな自由貿易のおかげで、日本は経済成長した。

 アメリカの地政学的な理由から冷戦が始まって、アメリカの地政学的な理由からアメリカが日本の軍備を背負って、日本に共産革命を起こさせないためにアメリカが経済的に豊かになることを認めた。

 冷戦が終わって、アメリカが日本を繁栄させておく必要がなくなった冷戦終結後という時期と、日本の経済の失われた20年が一致している。

 

藤井厳喜著 太平洋戦争の大嘘

 ルーズベルト元大統領の三つの大罪

①日米戦争は、時のアメリカ大統領フランクリン・ルーズベルトが日本に向けて仕掛けたものであり、日本の侵略が原因ではなかった

②1941年の日米交渉では、ルーズベルトは日本側の妥協を受け入れる意図は初めから全くなかった

アメリカは1945年に原爆を投下せずに日本を降伏させることができた

 

 ルーズベルトの前の大統領、第31代のアメリカ大統領を務めたハーバート・フーヴァーは、「フリーダム・ビトレイド(Freedom Betrayed)」を著した。

 「本当の事が書いてあるから」「知られてしまうとまずいことが書いてあるから」出版されたのは2011年(邦訳は2017年)だった。

 1941年7月にアメリカは日本に経済制裁をするが「日本に対する宣戦布告なき戦争であった」と書いている。

 フーヴァーは1946年5月来日しマッカーサーと会談している。その際フーヴァーは「経済制裁は殺戮と破壊以外のすべての戦争行為を実現するものであり、いかなる国といえども、品格を重んじる国であれば、我慢できることではなかった」と述べたがマッカーサーも同意した。

 

加藤学著 ビジネスマン・プ―チン

ロシア人男性の平均寿命は、65歳前後。

健康を維持するための社会システムの構築に向けてロシアに提案できる余地は非常に大きい。

ロシアは100を超える民族からなる他民族社会であり、東方正教会を中心とするキリスト教国家でありながら、全人口1.4億人の約15%程度、つまり200万人を超えるムスリム人口を抱える。労働現場においてもジェンダーへの偏見が小さく、日常的なレベルでは他民族がうまく融合している。

ロシアは、北極海の軍備増強に余念がない。北極圏に最も多くの軍事基地を持ち、40隻以上の砕氷船を持ち、原子力を動力源とする13隻を追加建造する計画があるという。

経済学者のキンバリー・エリオットは、経済制裁は本来の外交的目的を達成するにはその効果は曖昧であり、多くの場合は効果がないと結論づけている。

今井彰著 光の人

廃墟と化した東京を中心に、全国で12万3000人の「戦争孤児」が生まれた。

激動の戦後、1000人の孤児たちの命と未来を守り抜いた人がいた。

最も深く大きな愛だった。その時、彼は17歳の少年先生。

職も我欲もなげうって、半世紀に及ぶ茨の道を歩いた。

 一方、政府は昭和39年にアメリカ軍人カーチス・ルメイ勲一等旭日大綬章をあげている。カーチス・ルメイ東京大空襲の立案・実行者だった。東京中を焼野原にし、12万人の子供たちを孤児という過酷な運命に叩き落した大悪魔であった。

 水の一滴は、岩に穴を穿つ

 力によってではなく、しばしば落ちることによって   

ノーム・チョムスキー著 誰が世界を支配しているのか?

 米国の国防総省は100兆円をかけて核兵器システムを強化しようと計画している。それには、核弾頭も通常弾頭も搭載でき、目標捕捉能力が優れており、限定的核戦争を促進させかねず、すぐに真の大惨事にエスカレートすることも考えられる「新型巡航ミサイル」も含まれる。

 「攻撃された側は、最悪を予想して過剰反応を起こし、核戦争を始めるかもしれない」(ペリー元国防長官)

 サミュエル・ハンチントンは、「米国はならず者超大国になっている。世界諸国にとって外部からの最大の脅威だ」と警告した。

 TPPは本来、投資家の権利に関する協定だが、御用メディアや解説では「自由貿易協定」と不当表示されている。交渉は秘密裏に行われ、中身を知っているのは、細則を書く何百人もの企業弁護士やロビイストだけだ。