ポール・ノフラー著 デザイナー・ベビー

 CRISPR-Cas9と呼ばれる遺伝子組換え(ゲノム編集)技術の発明により、私たちはすでにデザイナー・ベビーをつくり出せる寸前の段階にまできている。

 一部の科学者、倫理学者、そして法学者は、デザイナー・ベビーをつくることを支持している。

 EU,オーストリア、中国、カナダを含む多くの国はヒトのクローニングを禁止した。一方、アメリカの殆どの州や周辺の多くの国々では、依然クローニングは適法のままである。

 フィクションの世界がとうとう実現されようとする一方、ヒトに対して遺伝子組換え技術を用いることについての、安全性や妥当性、倫理面の課題などは、これまで殆ど議論されてこなかった。

レベッカ・コスタ 著 文明はなぜ崩壊するのか

 認知閾とは、状況の複雑さが増していくスピードに、人間の脳が進化するスピードが追い付かない状態をいう。

 スーパーミームとは、社会制度や習慣、価値観、合理的思考を押し流す力がある。今の社会で進歩を妨げているのは、五つのスーパーミームだ。不合理な反対、非難の個人化、偽の相互関係、サイロ思考、行き過ぎた経済偏重。

 2006年、ムハマド・ユヌスマイクロクレジットを創設し、普及させた業績が評価されて、ノーベル平和賞を受賞した。

 マイクロクレジットはいまや重要な貧困解消策である。現在世界には7000を超えるマイクロクレジット機関があり、利用者は1600万人に達する。(2012年現在)

 ユヌスのひらめきは現代に巣くう五つのスーパーミームを乗り越え、20世紀最大の経済革命を引き起こした。

 1983年、ユヌスはグラミン銀行を設立したが、その際専門家や政府系銀行、民間業者はこぞって反対した。

 しかし、なんと返済率は98%だ。

齋藤糧三著 病気を遠ざける!1日1回日光浴 日本人は知らないビタミンDの実力

 2000年代に入ってアメリカを中心に潮目が変わり、カルシウム代謝以外の働きに関心が集まるようになり、ビタミンDを”人体のあらゆる機能を調整するホルモン”として重要視するパラダイムシフトが起こった。

 ビタミンDががん細胞の受容体へ結合すると、がんを抑制する遺伝子のスイッチが入り、ビタミンDはがん細胞のオートファジーを抑制して増殖を抑えてくれる。

 加えてビタミンDは、がん細胞を増殖させる血管の新生を抑えて栄養の補給路を断ち、兵糧攻めにしてくれる。

 死亡率の低い皮膚がんになるリスクよりも、ビタミンDによって死亡率の高い大腸がんや肺がんなどのリスクを減らせるプラスの作用の方が遙かに大きい。

 ・現代人の半数はビタミンD欠乏症

 ・日光浴でアレルギーは消える

 ・かぜやインフルエンザも予防

竹中裕行著 ミドリムシの仲間がつくる地球環境と健康 シアノバクテリア・緑藻・ユーグレナたちのパワー

 「藻類」とは、酸素を発生する光合成を行うすべての真核生物の中から、陸上の大型植物(種子植物、シダ植物、コケ植物)を除いた残りすべての生物を指します。そして、藻類の中の単細胞生物を基本的にマイクロアルジェとしています。

 地球温暖化オゾン層の破壊、大気汚染、エネルギー資源、農業・水産資源、宇宙開発など、21世紀のさまざまな問題に対してマイクロアルジェを利用した対策が進められている。

 ・イシクラゲセシウムを吸収・蓄積することが確認された

 ・プレウロクリシスの抽出物には最悪の耐性菌MRSAへの抗菌効果あると報告された

 ・葛仙米(シアノバクテリア)から紫外線吸収物質がみつかった

 

奥村歩著 脳の老化を99%遅らせる方法

 脳には、約1000億個の神経細胞がある。「脳細胞の数は20歳を過ぎると1日10万個のペースで減少する」と言われているが、心配する必要はない。

 デフォルトモード・ネットワークが脳のつながりをよくしていた。

 何もせずにぼんやりしているときの脳では、意識的な活動や作業をしているときの15倍ものエネルギーが消費されていることがわかった。

 デフォルトモード・ネットワークは、過酷な環境を生き残っていく中で人類が獲得したシステムであり、厳しい困難にへこたれることなく、人生をよりよい方向にシフトしていくためのシステムである。

 「脳トレ」には脳機能を向上させる効果はあまりない。

 脳のつながりをよくする「ニューロビクス」が効果あり。

 「ニューロビクス」とは、アメリカの研究者がニューロン(脳神経細胞)とエアロビクスを足してつくった造語。

1.自分の不調を客観的に捉える

2.脳のアイドリング・タイムを意識的につくる 

3.あの手この手で脳がイキイキとした状態をつくる

4.いつものやり方を変えて、あえて少し遠回りしてみる

5.脳にいい食事、脳にいい運動、脳にいい睡眠を習慣づける

  運動して筋肉を動かすと、脳内で「BDNF(脳由来神経栄養因子)」という物質が分泌される 

 

 

中田考著 帝国の復興と啓蒙の未来

 トルコが文明の再編の鍵を握る。仮にエルドアン政権が政敵によって打倒された場合、イスラーム主義者と世俗主義者の対立が激化し、トルコは内乱に陥り、シリア化することが予想される。内戦状態になった場合、トルコから1000万人規模の「難民」がヨーロッパに押し寄せることになり、ヨーロッパの「ムスリム難民問題」は制御不能になり、新たな秩序構築のためにやはりヨーロッパは新たな根本的な変化を伴う再編を強いられることになる。

 「新しいグレートゲーム」の主プレーヤーは中露、そしてトルコである。トルコ共和国が、イスラーム文明の世界国家オスマン朝の継承国家であっただけでなく、チュルク民族が過去1000年にわたり、宗教のアラブ民族、学問のペルシャ民族と並び、武のチュルク民族として、イスラーム、特にセルジューク朝以来スンナ派イスラームを支えた三大民族の一つであった。

 イスラーム文明圏には中核国家が存在しない。シーア派には曲がりなりにも中核国家イランが存在するが、イスラーム教徒の絶対多数を占めるスンナ派は、主導権を巡ってサウジアラビア、トルコ、エジプト、パキスタンなどが競合、対立しており、まとまりを欠く。イスラーム世界は、西欧の世界支配の枠組である現行の領域国民国家システム自体を揺るがす可能性を秘めている。

 欧米の没落は、アメリカの経済、軍事力の衰えだけによるものではない。「自由民主主義」の欺瞞が、インターネットによる情報のグローバリゼーションの進行の中で、もはや維持し誤魔化し通すことができなくなったことによる。独裁者たち、そして「テロとの戦い」などの名の下にやってきた国連や欧米の侵略者たちの兵器により為す術もなく殺される人々を見殺しするだけでなく、そこから逃げ延びて来る者の移動の自由を奪い、国境という牢獄の檻の扉を閉ざす「欧米」には、もはや自由、人権、民主主義、そして文明の擁護者を名乗る資格はない。

 30万人の死者、500万人の難民を出したシリア内戦、「テロ」対策の名の下に万単位の国民を平然と殺すことができるアサド政権は、ブッシュの「テロとの戦争」が生み出した警察国家ディストピアの戯画であり、それは明日の日本の姿かも。

 過去において多くの文明と共存し、それを統合し発展してきたイスラーム文明の歴史の中には、西欧文明の病理であるナショナリズムの差別主義、排外主義と全体主義的システム独裁に対する解毒剤、有効な処方箋が見つかるかもしれない。