アンドリュー・キンブレル著 生命に部分はない

 市場原理のイデオロギーは、これまでもそして現在も人間部品産業の中心的教義として機能している。機械論思考と科学技術の進歩によって、人間の体は機械のように部品化してとらえられるようになってきた。自由市場原理を標榜する人々や人間部品産業企業家そして政治家たちが、巧みに人間を商品化してきた過程は、血液の商品化に始まり、世界中で行われている臓器売買、公然と横行する精子卵子の売買、代理母契約、胎児・赤ちゃんの商品化、生体試料の販売合戦、遺伝子・細胞などの特許化など。

 科学者や技術者が事実上、技術の利用を公益のためだけに限定しえた例が過去にないことは歴史が示す通りだ。

 市場原理を適切な方法で規制しない限り、人体の価値を破壊し、商業的な搾取が展開されるのも間違いない。

 ・輸血用の献血を引き続き無償で行う体制を堅持。製薬目的、研究目的の商業的血液売買の停止

 ・移植用臓器の売買禁止

 ・胎児組織売買の禁止

 ・精子卵子、胚の売買禁止

 ・代理母契約制度の停止

 ・遺伝子操作された動物、人間の細胞、遺伝子、胚、臓器など、からだの一部を含む   すべての生命形態の特許化禁止