エマニュエル・トッド著 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

 ブリュッセルのEU官僚機構は、諸人民、諸国民の間の差異を消すことを企てたが、ユーロ圏はすでに機能不全に陥っており、やがては崩れます。

 『最後の転落』(76年)で「ソ連崩壊」を、『帝国以後』(2002年)で「米国発金融危機」を、『文明の接近』(07年)で「アラブの春」を次々予言したトッド氏

 テロ、移民、難民、人種差別、経済危機、格差拡大、ポピュリズム、英国EU離脱、トランプ旋風といった今日的現象は、「グローバリゼーション・ファティーグ(疲労)」即ちグローバリゼーションの限界とその転換に関わっている。いずれも、サッチャーレーガン登場以来の数十年間、英米主導で進められてきた「ネオリベラリズム

&グローバリゼーションの終焉の始まり」を示す兆候だと言っている。

 「知的ニヒリズムとしての経済至上主義からの脱却」が必要としている。