井上泰浩 著 アメリカの原爆神話と情報操作

 アメリカでは、2017年天文学的予算(1兆ドル)を費やし精度と殺傷力をさらに高める核兵器のの近代化が動き出した。

 広島・長崎に投下された原爆について、いまなお多数のアメリカ国民が5つの神話 ①事前に警告し軍事基地を破壊した②その衝撃で日本はすぐに降伏した③アメリカ人100万人、さらに多くの日本人の命を救った原爆は救世主だ④アメリカは神に託されて慈悲深い行いをした⑤原爆による放射能

影響はほとんどない  を信じている。

 なぜこの根拠のない、嘘偽りの「神話」が信じ込まれることになったのか。

 情報操作を組織的に計画実行したのはアメリカ政府と軍だが、世界で最も権威あるニューヨークタイムズ記者とハーヴァード大学長が大いに貢献していた。

 様々な隠蔽だけでなく、視覚的な捏造として1947年には「マンハッタン計画のドキュメンタリー」と銘打った映画が公開された。

 一条の光もある。オバマ大統領は2016年5月27日の広島訪問の際に、原爆神話の起源となったトルーマン大統領の原爆声明と相反する演説を行った。